減災どっとこむ

トップページ  大地震のときの常識集 > 身を守る−地震編

家具が、凶器に変わります!
倒壊しない家のなか、タンスが倒れてきますガラス窓が割れて粉々になった破片が降ってきますドアはゆがんで開かなくなり、モノが廊下をふさぐ場合もありますテレビが水平にとんできます

 一番、無防備になる寝室や、1日を長くすごす家族だんらんの部屋。これらの部屋には、ダイニングボードやテレビ、ピアノ、水槽、花びん、窓ガラスといった倒れるもの、割れるものはありませんか? もし、あなたが、寝室で家具の倒れてくるであろう方向(位置)に寝ていたら、運が良くて「命に別状はないものの大ケガ」という事態に見舞われるかもしれません。「爆撃かと思った」と形容される大地震では、ピアノや冷蔵庫は踊り、テレビやパソコンは水平に3メートル以上も一瞬のうちに飛び交います。特に高層マンションの上の階は、一戸建てに比べて揺れが大きくなることから、被害もより大きくなります。
 すでに家屋の倒壊のページで書きましたが、阪神・淡路大震災で、神戸市内に限定してみると、震災から14分以内に亡くなった方が死者全体の92%を占めました。つまり、亡くなった方のほとんどが即死で、その死因の多くは、寝ているときに、突然、家や家具が覆いかぶさってきて胸やお腹のあたりを圧迫し、呼吸ができなくなるという窒息死や圧死でした。死因が焼死でも、なかには倒れた家具や家によって即死し、そのあと火にまかれてた方も含まれていたり、また生存しているなか逃げるルートがなかったり動けなかったりして火にまかれた方がいると指摘されています。

 あなたの部屋は、寝室は、どのような間取りになっていますか? 下の写真のように、家具が倒れたり、物が落ちてきたり、ガラスが割れて飛び散るような所で寝ていませんか? 倒れてきて、逃げられなくなるような物を廊下や扉の近くに置いてませんか?

鳥取県西部地震(M7.3、最大震度6強)と阪神・淡路大震災の室内の写真

あらゆる家具が倒れます
この部屋で寝ていたら大変なことに。
動けず火にまかれることも。
鳥取県西部地震/日本損害保険協会 提供
食器や本が落下、散乱。
家が大丈夫なら、足元のガラス等に注意!
鳥取県西部地震/日本損害保険協会 提供
冷蔵庫や食器棚も倒れ、ガラスが散乱
鳥取県西部地震/日本損害保険協会 提供
オフィスにある重いパソコンや本棚が倒れます
阪神・淡路大震災/兵庫県広報課 提供

 このような家具による犠牲者をなくすためには、家具の固定が最も効果的とされています。自治体によっては、高齢者や障がいをお持ちの方のご家庭に、器具代だけで固定をしてくれるようなサービスもしています。家具の固定に使う道具は、最近では量販店やホームセンターで取り扱うようになり簡単に手に入るようになってきました。ただし、いざ金具をつけるとなると、薄い壁にではなく壁の向こうに柱がある場所を選んだりする必要があるなど、専門家でなければ難しい側面もあります。家具の固定をしようと思ったら、信頼のおける地元の大工さんと相談するなど、家や部屋にあった効果的な固定をするように心がけてください(自治体によっては、条件付きながら助成等を行っているところもあります)。
 また、重い物はなるべく低い場所に置いたり、ガラス窓が割れないようにフィルムを貼ったり、カーテンを必ず閉めておくこと等も大切です。寝室にはなるべく家具を置くのをやめたり、家具の向きを変えることも簡単で効果的です。

 とはいえ、それだけではあなたの生命は守れないということも、覚えておいてください。阪神・淡路大震災当時、神戸市で検死を担当された横浜市立大学医学部の西村明儒助教授によれば、建物が倒壊している所での死者数が多く、「もっとも多い亡くなるパターンは、タンスが倒れて、体の上に乗る。でもその上から家が壊れてくる」とし、「タンスを固定する防災対策が有効なのは、家に十分な強度があるときだけ」と警鐘を鳴らされています。 一方で、押し入れや暖房器具、机や収納など、背の低い家具が枕元にあることで、天井が落ちてきても、そこにすき間(生存空間)ができ、窒息死などを免れたケースもあったとされています。

 このように、地震に強い家(無理な場合、木造2階建ならせめて1階ではなく、2階で寝る)と、家具の固定の両方があってはじめて、あなたが、そして家族が無事に生き残れる確率がぐっと高くなります。

倒壊しない家(部屋)での、次の減災対策は、コレ!

  1. 寝室や、長く1日を過ごす部屋の家具を固定する(なるべく2つ以上の方法で固定するとより効果的。たとえば、上には壁と家具をつなぐ金具をつけ、下には少し壁側に傾くように厚みのある紙等を手前に挟みこむなど)、または寝ている場所に物が落ちてこないように家具の向きなどを変える
    ※ 高齢者や障がいをお持ちの方には、経費の助成や器具取り付けの人材派遣をしている市区町村も増えてきました。まず、問い合わせをしてみましょう。
  2. 寝室や、長く1日を過ごす部屋、避難路にあたる廊下や扉の近くの家具を減らす
  3. 重い物は床か低い場所に置く
  4. 落ちたら割れる物や、ガラス窓の近くでは寝ない、さらにフィルムやカーテンでガードしておく(地震後に、ガラスなどが散乱した室内を靴をはかずに歩くことで、ケガをする方が非常に多いので、スリッパ(できれば靴)を部屋に置いておくとなお良いでしょう)

 くれぐれも、家具の固定だけで大丈夫、と思い込まないでください。大地震で一瞬でつぶれる家に住んでいれば、たとえ家具の固定が万全でもあなたの生命を守れるかどうかはわかりません。ハリや柱や天井が上から覆いかぶさってきたら、家具でなくても死亡する確率は高くなります。

 家が、あなたの命も財産も奪います!>>

  主な参考資料 :
   「阪神・淡路大震災教訓情報資料集」  内閣府・(財)阪神・淡路大震災記念協会

(C)2006-2008 MBD co.,ltd. All rights reserved.