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手首の骨折、でも軽症扱いになります
大きな病院は患者殺到で大混乱

医療救護所や病院は、ケガ人で大混雑、大混乱
(注)イラストは、あくまでイメージです。
大災害では、災害現場から病院へは、救急車以外で搬送される方がほとんどです。

 大規模災害では、一度に広い地域で、数多くのケガ人がでます。なかには大量出血をしている人、頭を打って意識がない人、顔色が真っ青で身動きしない人など、速やかに処置や救急病院へ搬送が行われないと、間違いなく死にいたるようなケガ人も多く出ます。このような状態では、災害現場から医療救護所や病院への搬送、さまざまな場面で行われる応急処置・治療などは、もっとも救命できる可能性が高く緊急を要するケガ人が優先されます。そのために、まず最初にその場、その場でトリアージ(患者の選別)が行われます。

    トリア−ジ(患者選別)とは? >>

 多くのケガ人のなかに、もしあなたが含まれていたらどうでしょうか? 仮に手首が折れていたとしても、大量の出血がなければ「すぐに手当てをしないと死んでしまう」ほどのケガではありません。そうであれば、仮にやっとの思いで救急病院にたどりついて、「痛いから治療をして」と強く訴えたとしても、患者が殺到している状況下では、何も治療せずに放っておかれる可能性の方が高くなります。こういったときには、大きな救急病院ではなく、近所の接骨医や整形外科医のところに行ったほうが、早く適切な処置をしてもらえるかもしれません。

 さらに、病院も被災します。電気に水道、酸素や医療用ガスが使えず、さらに電話が通じなくなれば、たとえスタッフが無事でも、できる医療行為におのずと限界がうまれます。自家発電や自家式浄水供給システムを備える病院もありますが、まだまだ多くに普及したとはいえません。水は、医療用の水のほか、ボイラーやコンプレッサー、自家発電などの冷却水にも利用されることもありますので、断水になると大きなダメージを負います。夏場の災害では、空調も効かず、感染症も心配です。
 仮に、病院は耐震化がされていて大丈夫だったとしても、医療器具が固定されていなければ、壊れてしまって使えなくなることもあります。阪神・淡路大震災では、レントゲン等の高度医療機器が壊れたケースもみられました。

     病院施設が被災すると? -阪神・淡路大震災の例

◆ ケガをしない(死なない)ために
 このように、設備が被災し、ケガ人が殺到し、通信もままならないため搬送先も見つからない状況下で、もし大地震でケガをしてしまったら、ふだんどおりに病院で手当てをしてはもらえません。それが嫌で我慢できなさそうであれば、私たちはふだんから、どうしたらケガをしない(死なない)かを考えて対策を練っておくことが大切になります。地震がきてもせめて自分の家ではケガをしないように、寝ている場所や通路に家具が倒れてこないように配置を変えたり、固定をしたり、木造2階建であれば、寝室を2階にするといった工夫をしましょう(ケガをしない、死なないためには、家を大地震に耐えられるような強さにするのが一番確実な方法です。耐震診断や耐震補強に助成がなされる場合がありますので、まずは、お住まいの市区町村に問い合わせをしてみましょう。また、リフォームの時に耐震化を組み合わせると費用も格段に安くすみます)。「病院で痛いのにずっと待たされることが嫌だな」と思ったら、ふだんからその対策を練っておきましょう。
  また、近所の個人病院が、災害時にどういう取り組みをしてもらえるか、地域で相談をしておくとよいでしょう。ちょっとしたケガなら消毒、止血をしてもらえるか、慢性疾患(高血圧、糖尿病など)ではいつものように薬をもらえるかなどを相談・確認しておくと安心です。患者のほうからそういう問いかけがあれば、病院もいざというときの対応を考えるきっかけにもなります。
 また、いつも飲む薬のリストを作って持っていることも必要です。とりわけ、透析や常に人工呼吸器、在宅酸素を必要とする方等は、ふだんから市区町村や医療機関、関係企業、お住まいの電力会社(地域によっては停電時に速やかに復旧できるように、どの地域に人工呼吸器をお使いになっている方がいらっしゃるかを把握したいと望んでいる会社があります)などと相談をしておくことが命を救うことにつながります。

   水を大量に必要とする透析患者

対策のまとめ
  1. まずは、ケガをしない(死なない)ように対策を!
    → 地震に強い家にする
    → 家具を固定する、または配置を変えて倒れても家具が自分に向かってこないようにする(特に寝室)
    → 木造の2階建にお住まいなら、1日の長い時間を過ごす場を2階にする(寝室やリビング。特に寝室)
  2. 軽傷や単純な骨折の手当てや応急処置を地域で行えるようにする
    → 地域で診療所や個人病院、接骨医、整形外科医などと相談し、連係がとれるようにする
    → 自分たちで止血、消毒、固定などができるように、近くの消防署などで応急手当の講習を受ける
    → 地域で協力をして、救急箱や必要な消毒薬等をそろえておく(軽傷の人の応急手当用)
  3. 薬を毎日、必要とする方は、薬名などをメモし、災害時にどこで薬がもらえるか、主治医と相談をする。薬が頻繁に変わらないなら、1〜2週間分位、ストックしておく(薬にも有効期限がありますから、新しいものと順次、変えていきましょう)
  4. 透析を必要とする方は、通院している病院や患者仲間と、災害時の連絡方法や通院加療が可能かなど、災害時のことを十分に相談しておく
  5. 人工呼吸器や在宅酸素を使っている方は、お住まいの電力会社や市区町村、医療機関等と相談をしておく

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